米国雇用統計やGDPだけじゃない景気動向を示す注目すべき経済指標
ファンダメンタルズは「経済の基礎的諸条件」と訳され、具体的には経済成長率、インフレ率、貿易収支などで表される経済的要因のことになります。
この経済的要因の分析を通し、為替レートの方向を探る方法がファンダメンタルズ分析です。為替レートはさまざまな経済要因の変化によって変動するため、これらを分析することにより為替レートの予測ができるという考え方になります。
ファンダメンタルズ分析により「円高の理由は日本の景気が回復したから、今後も景気回復が継続し円高が続く」や、「米国の貿易収支の赤字が今後も拡大しそうだから、ドル安になる」と為替レートの予測することができます。
このファンダメンタルズ分析を行うにあたり、非常に重要なのが世界の経済の中心「アメリカの経済指標」になります。アメリカの動向は世界中に影響を与えるので、どの通貨ペアで取引を行うにしても必ず確認をするようにしましょう。
毎月第1金曜日発表の米国雇用統計
月に一度発表される「米国雇用統計」が全世界が注目する経済指標といっても過言ではありません。
米国雇用統計は原則、毎月第1金曜日のNY時間午前8時30分(日本では21時30分-米・夏時間、22時30分-米・冬時間)毎月第1金曜日にアメリカの労働省が「失業率」、「非農業部門雇用者数」、「週労働時間」、「平均時給」、「建設業就業者数」、「製造業就業者数」、「金融機関就業者数」など計10数項目の指標を公表します。
なかでも「失業率」と「非農業部門雇用者数」の2項目は、アメリカには日本のような終身雇用や正社員という働き方の考えがないため、景気のよしあしが雇用に反映されると考えられ、数字の推移に注目が集まります。
金利政策(金利)への影響
米国では雇用状況の改善が政策の主要目標となり、失業率を含む米国雇用統計はFRB(Federal Reserve Board of Governors の略で連邦準備制度理事会のこと) が金融政策を遂行するうえで重要な判断材料になります。
雇用状況が悪化すれば、FRBは金融を緩和気味にし金利を下げることを検討し、逆に雇用状況の改善が進み労働市場が過熱すれば金融を引き締め、金利を上げることを視野に入れます。
一般的に、ドル金利を下げればドル売りが進み、ドル金利を上げればドル買いが進むという関係性になります。したがって、雇用状況の悪化はドル下落傾向を示し、雇用状況の改善はドル上昇傾向を予測ができます。
雇用状況の悪化とは
失業率は年率4.25%とうように示されますが、非農業部門雇用者数は前月比20万人増加というように示されます。雇用状況の悪化は失業率が上昇、非農業部門雇用者数が減少することになります。
1980年代までは失業率の数字が注目されていましたが、90年代に入り非農業部門雇用者数が景気を反映した雇用状況をより的確に表していると注目されるようになりました。
日本やユーロ圏の雇用統計は
アメリカと比較し、日本やユーロ圏の雇用統計はそれほど注目されません。日本銀行もECB(European Central Bank の略で欧州中央銀行のこと)も物価の安定が主要な政策目標なので、失業率などの雇用統計を政策決定上、アメリカほど重視することがないためです。
1月・4月・7月・10月下旬発表のGDP
GDP(Gross Domestic Product の略で国内総生産のこと)はその国の経済の規模を表す経済指標で、四半期毎などに世界各国で発表されます。
モノやサービスの付加価値(モノやサービスの価格から材料費や人件費などを差し引いたもの)の合計を数値で表したもので、国ごとに得意としている産業や儲け出す仕組みが異なるため、GDPという数値化することで各国の比較が可能になります。
GDPの伸び率(成長率)
外国為替市場では四半期別、年間のGDP伸び率(成長率)が注目されます。成長率には名目成長率と物価指数を調整した実質成長率がありますが、外国為替市場では実質成長率が注目されます。
GDPの成長率が高ければその国の通貨が上昇すると判断され、投資機会が増えて海外の資金が流入して通貨が買われます。逆にGDPの成長率が低ければ、投資機会が少なくなり、投資収益も期待できないため、高い成長率への国へ資金が流出し通貨が売られ下落傾向になります。
実質GDPが伸びることで景気が良くなったと判断され国内外から資金が集まるということです。
テーマによって逆に動くことも
たとえば、米国の経常収支の赤字が焦点となっているなか、米国のGDP成長率が高い数字を示したとした場合、通常米国の経済が好調と判断され米ドル買いが進み、米ドルが上昇します。
しかし、米国経済が好調で輸出が増加して米国の経常収支(貿易収支)の赤字が増加するという見方が優勢になった場合、米国のGDP成長率が市場の予測より高く発表されても米ドルが下落することもあります。
外国為替市場では一定期間ひとつのテーマが注目され、為替が動くことが多くあり、すべての数字がそのテーマの観点から解釈され米国の経常収支が赤字であっても、外国為替市場の焦点ではない場合はこのような結果にはなりません。
金利との関係
GDPは金利との関係を通して為替レートに影響するとも考えられ、GDP成長率が高いということは経済が好調のため、金融は引き締められ金利が上昇傾向になる。そのため、その国の通貨は上昇傾向になると判断されます。
逆にGDP成長率が低いと金利を下げるなどの金融緩和策をとって景気を刺激しようとするため通貨が下落傾向になると判断されます。
他の注目すべき経済指標
「米国雇用統計」や「GDP」以外にも景気動向を示す経済指標があり、予想と実際の数字にサプライズがあるかによって為替レートが大きく動く傾向があります。
経済指標名 | 国 | 公表予定日 | 内容 |
---|---|---|---|
MBA住宅ローン申請指数 | アメリカ | 毎週水曜日 | 米抵当銀行協会(The Mortgage BankersAssociation)が発表している、個人の住宅ローン申込件数を数値化したもの。一戸建住宅販売や住宅建設の先行指標となり、住宅の動向は経済への波及効果が高いことから、経済状況を計る材料とされています。 |
ISM製造業景況指数 | アメリカ | 毎月第1営業日 | ISM製造業景況指数とはISM(Institute for Supply Management:供給管理協会)が発表する製造業における景気転換の先行指標。アメリカ国内の製造業の仕入れ担当などにアンケートをし、生産や新規受注、在庫などの状況を判断して数値化したもの。50%が景気動向の良し悪しを測る分岐点 |
ISM非製造業景況指数 | アメリカ | 毎月第3営業日 | ISM非製造業景況指数とはISM(Institute for Supply Management:供給管理公社)が発表する非製造業における景気転換の先行指標。非製造業の担当にアンケートを取り作成する調査。50%が景気動向の良し悪しを測る分岐点。 |
小売売上高 | アメリカ | 毎月第9営業日 | アメリカの商務省が発表する、スーパーや百貨店など約5,000社の小売業の売り上げ調査を元に推計される数値。個人消費から景気やGDPの動向を知るために活用されます。 |
景気動向指数 | 日本 | 毎月初旬 | 内閣府が算出する生産、雇用など様々な経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合することによって、景気の現状把握及び将来予測に資するために作成された経済活動の指標。先行指数、一致指数、遅行指数などがある。 |
NAB企業景況指数 | オーストラリア | 毎月初旬~中旬 | オーストラリアの市中銀行であるナショナル・オーストラリア銀行(National Australia Bank)が、国内企業400社以上を調査し、今後の景況感の動向を集計した指標。企業からみた、経済の現況と将来の先行きがわかります。 |
ZEW景況感指数 | ユーロ圏 | 毎月中旬 | ZEW景況感指数とは民間調査会社・ZEWが発表する景気先行指数。今後6カ月の見通しを市場関係者やアナリストからヒアリングしまとめたもの。「よい」から「悪い」を引いた数字で表されるため、0以上で景気が拡大と判断される。 |
IFO景況指数 | ドイツ | 毎月下旬 | IFO景況指数とはドイツの経済・社会調査・政策研究を行う非営利の公的研究機関IFO研究所が、全独1万社を対象に今後6カ月の先行きをヒアリングし指標化したもの。ユーロ圏でもっとも経済が発展しているドイツの指標として注目が高い。 |
企業景況感指数 | フランス | 毎月下旬 | フランス国立統計経済研究所(INSEE) が発表する企業景況感指数とは、フランスの企業活動の現況調査を指数化したもの。企業からみた経済の現況と将来の先行きがわかり、数値が高いと景気が上向いていると判断される。 |
ファンダメンタルズ分析を活用しFX自動売買(システムトレード)で使いこなそう
ファンダメンタルズ分析は過去にあった事象から、将来同じようなイベントが発生したときの結果を予測することができます。
例えば、金融政策決定会合で日本銀行がどんな発言をするかや、中東で大規模テロが発生した場合G7(Group of Seven の略で先進国首脳会議のこと)でどんな合意がされるかなどのイベント、アメリカの雇用系統やGDP(Gross Domestic Productの略で国内総生産のこと)、景気動向などの経済指標が為替を動かす一つの要因になります。
このような経済指標の発表による動向はテクニカル分析では難しく、ファンダメンタルズ分析とバランスよく組み合わせた分析が必要となります。
ファンダメンタルズ分析とは
ファンダメンタルズ(fundamentals)とは国や企業などの経済状態などを表す指標のことで、「経済の基礎的条件」と訳されます。
日々報じられている政治や金融、国際関係などさまざまなニュースは、ゆくゆくは政治・為替市場に影響されると考えられています。
以下の表のような一般的な要因によるに通貨高・通貨安の変動はもちろん、複数の要因が絡み合って為替が変動することもあります。
通貨レートが変動する主な要因
通貨高につながるニュース | 要因 |
通貨安につながるニュース |
---|---|---|
【好景気】株価や金利が上昇することで海外から資金が集まり通貨高 | 景気 |
【不景気】株価や金利が下落することにより海外に資金が流出 |
【上昇】経済全体が伸びている | GDP成長率 |
【下落】経済全体が減速 |
【高金利】金利が高いほど投資資金が流入。※高すぎると景気抑制策がとらわれることも | 金利 |
【低金利】投資資金が流出。※低すぎると景気刺激策がとられることも |
【黒字】海外で設けたお金を自国の通貨に両替するため、通貨高 | 貿易 |
【赤字】輸入品を多く買っている状態。自国のお金を売り、他国のお金を買っているため通貨安 |
【黒字】海外で設けたお金を自国の通貨に両替するため、通貨高 | 財政 |
【赤字】輸入品を多く買っている状態。自国のお金を売り、他国のお金を買っているため通貨安 |
【株高】日経平均株価やダウ平均株価など、各国の株価指標が好調だと通貨高 | 株価 |
【株安】2通貨間の株価指標を見比べて、上昇幅の少ない(下落幅の多い)通貨が安くなる |
【上昇】資源国では収入増 | 原材料価格 |
【下落】資源国では収入減 |
【増加】起業が今後の売り上げ増を見込み投資をしている状態 | 設備投資 |
【減少】起業が今後の売り上げ減を見込んで投資を控えている状態 |
【増加】個人消費が増加すると景気が良くなり、通貨高(個人の消費はGDPの大部分を占めるため) | 個人消費 |
【減少】個人消費が減少すると景気悪化し、通貨安 |
【改善・雇用増】失業者が減り、仕事が増えれば景気が良い証拠 | 失業率 |
【悪化・雇用減】失業者が増え、仕事が減れば景気悪化の証拠 |
【安定・紛争なし】政局が安定していると通貨の価値も安定 | 政局・紛争 |
【不安定・紛争あり】政権が安定しないと通貨の価値も不安定 |
経済指標は事前予測と比較
為替市場を動かす大きな要因の一つは金利で、金利が上がれば通貨価値が上昇し、金利が下がれば通貨化価格は下落するというのが基本的な関係になります。
また、外国為替市場で特に注目されるのが各国の政策金利で、日本なら日本銀行、アメリカならFOMC(Federal Open Market Committeeの略で連邦公開市場委員会のこと)、EUであればECB(European Central Bankの略で欧州中央銀行のこと)がそれぞれ決定する金利のことです。
この政策金利の変化や見通しを為替市場では注目しているため、政策金利の発表時には為替が動きやすくなっています。
インフレと金利
金利を判断する際に大切なのはインフレとの関係で、とくに新興国ではインフレによる物価上昇の対策として高金利対策をとることが多いです。
インフレが進むと、実質的な価値が低下し通貨安となり、高金利通貨であっても買われないケースがあります。トルコの政策金利は2016年で8.00%を超える高金利で注目されていますが、その背景にはインフラがあり、高い水準で進んでいるからです。
金利高は通貨高、金利安は通貨安の基本的関係を元に将来金利が上がりそうか、下がりそうかは予想してトレードの判断をしましょう。
相場を動かす指標
市場に大きな影響を及ぼすものは基本的にはアメリカの経済指標に限られます。代表的なものとしては毎月第一金曜日に発表される雇用統計があり、特に重要な数値は農業以外の雇用者数「非農業部門雇用者数」と「失業者数」からアメリカの景気先行きを示すものになります。
その他、GDPや消費者物価指数、生産者物価指数、貿易収支なども市場を動かす要因となるので、代表的な経済指標と予定は覚えていて損はありません。
為替市場にはその時々のテーマがあり、指標の重要度も変化します。
2007年末から2009年頃を中心としてアメリカ合衆国で起きた、住宅購入用途向けサブプライム・ローン(subprime lending)が表面化してからは、中古住宅販売件数や住宅着工件数などの住宅関連の指標に関心が集まりました。
景気が悪くなれば、ISM非製造業景況指数(Institute for Supply Management)や小売売上高、インフレの懸念がでれば消費者物価指数や生産者物価指数が注目が集まります。
また、経済指標で為替レートが大きく動くのは、事前の予測と発表結果と大きく食い違った場合の「サプライズ」です。
経済指標がプラスの結果だったとしても、事前の予想より良くなければ売られ、逆にマイナスでも予想よりマイナス幅が小さければ市場は好感し買われる要因となります。
サプライズによって為替レートは激しい乱高下が起こることもあるので、影響度の高い経済指標の発表がある際は要注意です。
為替レートを動かすのはサプライズ
為替変動の大切なの要因は何%から何%へ変わったかという変化になります。市場解説で「織り込み済み」と使われる言葉は将来起こりえる変化やイベントの結果をすでに為替レートに反映しているということです。
FOMCやECBが政策金利を発表する際に、同時にコメントを出し「今後もさらに金利を上げる予定」や、「当面は変更しない」などのニュアンスを読みとることで市場が反応するため、コメントが重要視されます。
現在、ユーロが円より金利が安くてもすでに為替市場へ織り込まれているため、政策金利の発表時に注目されるのは「ユーロと円の金利差が将来もっと開くのか、もしくは縮むのか」になります。
このことから、金利の絶対水準が高いNZドルのような高金利通貨でも今後下がりそうな通貨は売られやすくなり、低金利通貨でも金利が上がりそうと判断されれば買われやすくなります。
主な重要指標
為替市場へ大きく影響がある経済指標をまとめています。これ以外にも相場を動かす要因は多々ありますが、まずは代表的な経済指標とスケジュールを覚えておきましょう。
発表日 | NY時間 |
経済指標 | 内容 |
---|---|---|---|
第1営業日 | 10:00 |
ISM製造業景況指数 | 月次/毎月 |
第3営業日 | 10:00 |
ISM非製造業景況指数 | 月次/毎月 |
雇用統計の2日間 | 8:15 |
ADP雇用統計 | 月次/毎月 |
第1金曜日 | 8:30 |
雇用統計 | 月次/毎月 |
10日前後 | 10:00 |
中古住宅販売保留 | 月次/毎月 |
8:30 |
貿易収支 | 月次/毎月 |
|
中旬 | 8:30 |
小売売上高 | 月次/毎月 |
8:30 |
住宅着工件数/建築許可件数 | 月次/毎月 |
|
8:30 |
生産者数物価指数(PPI) | 月次/毎月 |
|
8:30 |
消費者物価指数(CPI) | 月次/毎月 |
|
9:00 |
対米証券投資 | 月次/毎月 |
|
9:15 |
鉱工業生産/設備稼働率 | 月次/毎月 |
|
15日 | 8:30 |
NY連銀製造業景況指数 | 月次/毎月 |
第3木曜日 | 10:00 |
フィラデルフィア連銀製造業景況指数 | 月次/毎月 |
20日前後 | 10:00 |
景気先行指数 | 月次/毎月 |
下旬 | 8:30 |
耐久財受注 | 月次/毎月 |
10:00 |
中古住宅販売件数 | 月次/毎月 |
|
10:00 |
新築住宅販売件数 | 月次/毎月 |
|
8:30 |
GDP | 四半期/毎月 |
|
GDPの翌日 | 8:30 |
個人所得/個人支出 | 月次/毎月 |
最終火曜日 | 10:00 |
消費者信頼感指数 | 月次/毎月 |
最終金曜日 | 10:00 |
ミシガン大学消費者信頼感指標(確報値) | 月次/毎月 |
不定期 | 14:15 |
FOMC | 年8回 |
14:00 |
ベージュブック | FOMCの2週間後 |
|
14:00 |
FOMC議事録 | FOMCの3週間後 |
|
- |
FRB議長議会証言 | 2月と7月 |
|
- |
半期為替報告書 | 4月と11月 |
テクニカル分析(チャート分析)を活用しFX自動売買(システムトレード)で使いこなそう
為替レートの過去の値動きそのものから、今後の値動きを予測する方法をテクニカル分析(チャート分析)になります。
ファンダメンタルズ分析には、経済の各種のデータがを分析し総合的に判断しますが、経済学的知識や、相当の時間と労力を必要とします。
そこで経済的要因を一切考慮せずに、「為替レートの値動き」そのものに為替レートを決定する情報が凝縮されているため、為替レートの値動きを分析することで将来の値動きを予測するという考え方になります。
テクニカル分析(チャート分析)には欠かせない、基本的なテクニカル指標を紹介します。
テクニカル指標
テクニカル指標はこれまでFX(外国為替市場)の歴史から、様々な投資家によって開発されています。
その多くは複雑な計算によって算出される数値を元にしていますが、M2J(マネースクウェア・ジャパン)も提供しているチャートソフトの機能を使えばすぐにそれらのテクニカル参照できます。
ただ、テクニカル指標はいまや数十種類を超えているので、すべてを活用するのは困難ですので代表的な5つの指標に絞って紹介します。
トレンド系とオシレータ系
テクニカル指標は「トレンド系」と「オシレータ系」の2つの指標に分類することができます。
トレンド系は、相場が上昇傾向にあるのか、下落傾向にあるのかを分析するのを得意とし、中長期的な為替レートの動向を予測するのに利用されます。
移動平均線やボリンジャーバンド、一目均衡表などが代表格でトレンドを分析し、上昇相場なら買いで、下落相場なら売りと順張りでのトレードとなることが多いです。
逆にオシレータ系は相場の「売られ過ぎ」、「買われ過ぎ」といった売買の過熱感をはかる指標です。
売られ過ぎなら『そろそろ上がるのでは?』と予測し買い、買われ過ぎであれば『そろそろ下がるのでは?』とみて売りをエントリーすることが多くなります。
RSIやストキャスティクス、サイコロジカルラインなどが代表格として、現在のトレンドと逆の売買をして利益を狙う逆張りとなります。
この「トレンド系」と「オシレータ系」はどちらが優れているものかということではなく、両方の指標を組み合わせながら様々な角度からの分析をし、最適なトレード手法を見つけるための手段として活用してみてください。
ボリンジャーバンド
1980年頃にアメリカのジョン・ボリンジャー氏が考案した指標で統計学の標準偏差値の考え方を応用して作成されるテクニカル指標です。
為替レートは、基本的には移動平均線の周辺で上下していることが多く、いずれは移動平均線の周辺に戻ってくると考えられ移動平均線から離れたタイミングをとらえようということです。
ボリジャーバンドのの中心になるのは移動平均線で上と下に引かれた線はアッパーバンドとロワーバンドと呼ばれたりします。この上下のラインの間に約95%の確率で為替レートが収まるように引かれています。
95.5%の確率で収まる
移動平均線の上側に1σ、2σ、3σ、下側に-1σ、-2σ、-3σという線を5本もしくは7本引くのが一般的です。
統計学上、為替レートは1σ~-1σの線内に68.3%、2σ~-2σの線内に95.5%、3σ~-3σの線内に99.7%の確率で収まるとされていすが、使い勝手がよいのは2σ~-2σになります。
上下のラインからはみ出す確率は5%以下になることから、ボリンジャーバンドは2つのトレード手法に活用できます。
1つが、移動平均線から大きく離れた位置に為替レートがある場合、現在の為替レートが2σ、3σのラインにあれば売り、-2σ、-3σのラインにあれば買いと逆張りし、移動平均線付近に戻ってきたところで決済する逆張りのトレードで活用できます。
もう1つはバンドの広がり具合を参考に売買する方法で、バンドは為替レートの変動が大きい時に広がり、小さい時に狭まります。そこでバンドが広がった時に為替レートの動いた方向をチェックし、上に動いたら買い、下に動いたら売るという順張りのトレードで活用できます。
上下のバンドに沿った動きをバンドウォークと呼び、上下のバンドの幅が狭くなって値動きが小さくなったときは要注意となります。エネルギーが溜まっている状態で、大きな値動きの予兆ともいわれています。
また、バンドを抜けた場合は、強いトレンドが発生したと判断し、抜けた方向についていく戦略もできます。
MACD
MACDとは最近の値動きにより重きを置いた指標になります。直近の値動きを「重視」し、過去の値動きを若干「軽視」した方がより精度の高い予想ができるという考え方を移動平均線に取り入れた指標がMACDになります。
EMA(Exponential Moving Average)指数平滑移動平均線という移動平均線の一種を利用して作られるテクニカル指標です。
交差するポイントが売買タイミング
多くのテクニカルチャートではローソク足の下側に別のグラフで表示され、「MACD」と「シグナル」という2本の移動平均線が表示され、ゴールデンクロスやデッドクロスなどのように、交差するポイントが売買タイミングとされています。
グラフの中心にある0ラインより下で、MACDがシグナルを下から上に突き抜けるゴールデンクロスを見せたら買いになり、0ラインより上で、MACDがシグナル線を上から下に突き抜けるデッドクロスを見せたら売ると判断できます。
MACDのラインはシグナルよりも為替レートに敏感に反応し、大きな値動きがあると角度が深くなるので、角度が深いほど信頼できる売買サインとなります。
RSI
RSIとは「Relative Strength index」の略で相対力指数と呼ばれ、アメリカの著名テクニカル・アナリストであるJ・W・ワイルダーが開発したオシレータ系の代表格といわれるテクニカル分析です。
過去の為替レートから「売られ過ぎ」や「買われ過ぎ」を判断して売買のシグナルとする逆張りのテクニカル指標になります。
持ち合い時に効果を発揮
RSIは割合になり、0から100の間を行き来し、通常は30以下だと売られ過ぎ、70以上だと買われ過ぎと判断できます。
厳しく見るなら20以下・80以上としたり、長期のRSIでは40以下・60以上と目安にする場合もあります。
ただ、強いトレンドが発生したときには80以上や20以下でへばりついてしまい、売りのサインなのにまだまだ上がる、買いのサインなのにどんどん下がるといったことも起こりがちで、RSIが効果を発揮するのは持ち合い(レンジ)のときになります。
為替レートの波と同じようにRSIが動いていれば、30を下回った時に買い、70を上回ったときにうりとすることで、レンジ内での値幅で利益を得ることができると考えられています。
また、為替レートが上昇しているのにRSIが下落(もしくは為替レートが下落しているのに上昇)することをダイバージェンス(逆行現象)といいます。
これは為替レートのトレンドがRSIのトレンドに変化する予兆といわれ、RSIに従った売買で利益がでる可能性があるということになります。
現在の水準だけでなくどう動いているのかもよく見ることで、ダマシを回避することができるようになります。
ストキャスティクス
ストキャスティクス(Stochastics)とは推測統計学という意味で、過去の一定期間における高値と安値のレンジ幅の中で、現在の価格がどのような位置にあるかを数値化したものを示し、3つの指数「%K」「%D」「%SD」から構成されています。
計算の期間が短い線が「%K」で(「現在値-安値」÷「その期間内の最高値-その期間内の最安値」)×100 と算出されます。
「%D」は一定期間(%Kで用いた一定期間とは異なるように設定するのが一般的)を決めて(「『現在値-安値』の期間分合計」÷「『高値-安値』の期間分合計」)×100と算出されたものになります。
もう一つの指数「%SD」は、ある期間の%Dの平均を取ったもので、対象にする期間が3日なら、「3日分の%D」÷3 として算出されます。
一番シンプルなのが%Kの線だけを見る方法で、RSIと同じように30以下なら売られ過ぎ、70以上ならば買われ過ぎとそれぞれ売りと買いのサインと判断できます。
ファースト・ストキャスティクス
「ファースト・ストキャスティクス」とは%Kと%Dを組み合わせる確認方法になります。
低水準エリアで%Kが%Dを上に抜けていくゴールデン・クロスが出たところが買いシグナルとされ、短期トレード向きといわれています。
スロー・ストキャスティクス
「スロー・ストキャスティクス」は%Dと%SDを組み合わせる確認方法になります。
低水準エリアで%Dが%SDを上に抜けるゴールデン・クロスは買いシグナルとされます。
ファースト・ストキャスティクス反応が敏感すぎため、ダマシも多くなってしまうのでロー・ストキャスティクスが一般的といわれています。
DMI
DMI(Directional Movement Index)とは一般的に方向性指数と呼ばれ、為替レートの方向性(トレンド)を推し量ることができます。
RSIやピボット、パラボリックと同じくアメリカの著名テクニカル・アナリストであるJ・W・ワイルダーが開発したテクニカル指標の一つです。
トレンド(方向)の強さを表すADX
DMIは以下の3つのラインで形成されています。
+DI | 上昇トレンド(方向)を表す |
-DI | 下降トレンド(方向)を表す |
ADX | トレンド(方向)の強さを表す |
売買ポイントは+DIと-DIがクロスしたときになり、+DIが-DIより数値が大きい場合は上昇トレンドにあると考え、逆に-DIの方が大きい場合には下降トレンドにあると判断できます。
+DIが-DIを下から上に抜いた場合は、上昇する力が強い為、買いのサイン。逆に+DIが-DIを上から下に抜いた場合は下落する力が強いので売りのサインになります。
ADXはトレンドの強さをみるものになり、ADXが上昇している間はトレンドが継続しているとされ、ADXが下落しているときはトレンドがないと考えられています。
ADXでトレンドの状況を確認し、+DIと-DIで売買のタイミングを測る際に有益ですのでうまく活用してみましょう。
テクニカル分析(チャート分析)の代表「移動平均線」でトレンドを予測しよう
毎日の終値を折れ線グラフをつなげたものがチャートになり、始値・高値・安値・終値の4本値を記録すれば、ローソク足チャートになります。
これを日々チェックすることで1日にどの程度の値動きがあるかの感覚が身に付きます。昨日100円だった米ドル/円が今日の終値が50円になることは想像しにくいことがわかります。
このように、チャートを見て、過去の傾向から未来の変化を予測することが「テクニカル分析」といいます。
テクニカル指標の代表「移動平均線」
為替レートの全体的なトレンドを読み取るために利用される「移動平均線」があります。
移動平均線とは一定期間の終値の平均をチャートにプロットし、1本のラインに結んだものになります。例えば「5日移動平均線」であれば、過去5日間の終値を足して5で割った平均値を順に結んでいきます。
このように、どのくらいの期間をグラフにするかで名前が変わり、26週間の移動平均線であれば「26週移動平均線」となります。
移動平均線どんなチャートにも装備されているテクニカル分析の基本ツールで、期間はあらかじめ設定されていたり、自分でも変更可能です。
この移動平均線はトレンドと売買タイミングの判断材料となり、移動線の傾きは上向きならトレンドは上昇傾向、横ばいならレンジ相場、下向きなら下落相場と予測できます。
また、傾きの角度によっても急であればあるほどトレンドの勢いも強く、急だった傾きがなだらかになってきたら、トレンドの終了と判断できます。
2~3本組み合わせて使うと効果的
移動平均線は1本だけでなく、2本、3本と組み合わせて使うと効果的です。
ポピュラーな組み合わせとして、5日、25日、200日と「短期・中期・長期移動平均線」を同時に表示させ、『200日線が上向きだから長期的には上昇トレンドだが、短期的には5日線が下向きだから押し目」と予想ができます。
短期のトレンドを知りたいときには短期の移動平均線、長期のトレンドを知りたいときには長期の移動線で上昇トレンド・下落トレンドを把握します。
現在の価格が移動平均線から離れすぎている場合、一時的に買われ過ぎた(売られ過ぎた)の判断材料ともなり、移動平均線の近くに戻ると予想すれば、大きく離れたところでポジションをとり、戻ってきたところで決済するトレードも可能です。
移動平均線の法則は多数あり
複数の移動平均線や為替レートの推移などの位置関係や交差の仕方などによって、売買のタイミングを測る手法がこれまでにもたくさん研究されてきました。
もっとも有名なシグナルとしては「ゴールデンクロス」、「デッドクロス」になります。
ゴールデンクロス
ゴールデンクロスは「日足」のチャートを開き、25日(短期)の移動平均線と、75日(長期)の移動平均線を表示させ、2つの線の交わり具合を確認します。
25日線の移動平均線が75日の移動平均線を下から上へ突き抜けていくところが「ゴールデンクロス」といわれ、買いのシグナルになります。
デッドクロス
デッドクロスはゴールデンクロスとは逆になります。
25日の移動平均線が75日の移動平均線を上から下に突き抜けていく場面がデッドクロスになり、売りのシグナルとなります。
どちらも確実に上昇トレンド・下落トレンドを把握することはできませんが、効果的なシグナルといわれています。
他に、為替レートと移動平均線の関係で売り買いのタイミングを示した「グランビルの法則」なども有名です。
パラメータの設定は様々
先ほどは25日(短期)の移動平均線と、75日(長期)の移動平均線を例にしていましたがパラメータの設定に決まったルールはありません。
パラメータとは
テクニカル分析を使う時に入力する数値で、同じ日足の移動平均線でもパラメータが5なら5日移動平均線になり、200と設定すれば200日移動平均線となります。
M2J(マネースクウェア・ジャパン)が提供するチャートソフトの移動平均線初期値は期間1「5」、期間2「21」、期間3「90」となっており、チャート設定からユーザー自身で変更も可能です。
パラメータ次第でテクニカル分析も変わる
短期と長期の2本の移動平均線があれば大丈夫です。短期のパラメータを5日や9日など短くしていくと、クロスの出現する頻度も増えるため、ダマシの回数も増えてしまいます。
一方でパラメータを長くすると、出現するシグナルが減ってしまう可能性もあるので、パラメータを変更しながら出現頻度とダマシの増減の最適なバランスを探してみよう。
他のテクニカル指標への応用
「ゴールデンクロス」、「デッドクロス」は移動平均線だけでなく、MACD(「Moving Average Convergence/Divergence Trading Method」の略で移動平均収束発散法とも呼ばれるトレンドを追いかける順張り系の指標)や、RSI(「Relative Strength index」の略で相対力指数とも呼ばれる、直近の一定期間において終値ベースで上昇変動と下落変動のどちらの勢いが強いのか計測しようとする指標)で使う人もいます。
他のテクニカル指標でも考え方は同じで、短期のラインが長期のラインを下から上へ突き抜ければ買いのサインとなり、上から下へ突き抜けたら売りのサインとなります。
このクロスが便利なのがどんなトレードスタイルでも使用でき、長期投資の「トラリピ」を開始する際の注文タイミングにも利用できます。
ダマシに注意
これらの法則はすべての場合にあてはまるとは限らず、強力なレジスタンスラインを超えたため、上がるのかと思ったら下がり始めた、移動平均線のデッドクロスが出現したから下がると思いきや上がったなど、シグナルが示唆する方向と反対に動く、というような教科書通りの条件を満たしていてもその通りに動かない「ダマシ」もあります。
注文・決済するときはゴールデンクロスやデッドクロス、グランビルの法則にあてはまるから、という点のみを信用して取引をするのではなく、あくまでトレンドをつかむための一つの手段として活用するのがいいでしょう。
トレンドラインでレンジ幅を予測してトラリピ運用を開始しよう
FX自動売買(システムトレード)を開始を開始しようと通貨レートがいま上昇トレンドか、下降トレンド傾向を見極めることは非常に重要です。
ローソク足の動きからこのトレンドがどのような傾向かがわかります。
このトレンドラインはトラリピ運用でとても大切なテクニカル分析になります。
全体の傾向として上昇か?下降か?
為替レートは條辺に小刻みに変動しつつ、全体として上がっていたり下がっていたりします。これをトレンドと呼び、大きな転換がくるまでは続くといわれています。
トレンドには大きく分け陽線が連続している「上昇トレンド」、陰線が連続している「下落トレンド」と値動きが上下しているものの、上昇とも下落ともいい切れない場合を「持ち合い(レンジ)」といいます。
トラリピはレンジ相場で威力を発揮する性質がありますので、傾向を見極めるためにもチャートを分析しましょう。
チャートからトレンドを知る
チャート分析で基本的なラインは「トレンドライン」と呼ばれ、為替市場のトレンド(方向性)を示すラインになり、プロの為替ディーラーでもチャートにラインを引くだけで取引をする人も多いくらいメジャーなものになります。
トレンドラインはペンと定規でも簡単に引けますが、M2J(マネースクウェア・ジャパン)の提供するトレード画面でもトレンドラインを簡単に引く機能が搭載されているので、これを利用するのが便利です。
トレンドラインを引いてみる
トレンドラインを引くのは簡単です。チャートをパッと見て、上昇トレンドであれば際立った安値と安値を(ヒゲとヒゲ)を結びます。下落トレンドあれば高値と高値(ヒゲとヒゲ)を結ぶだけでトレンドラインが引けます。
トレンドラインを引くことで値動きの全体的な傾向がつかめ、トレンドの特徴も見えてくるはずです。この時大切なのは現在の価格とトレンドラインの位置関係です。
上昇トレンドのトレンドラインならおおむねラインに沿ってて上がっていき、トレンドラインを割らない限りそのままの傾向にある。
トレンドラインを割ったら下落トレンドに転換する可能性かもしれないし、トレンドラインから大きく離れて上昇したときは、ラインまで戻ろうとする力が働くと予想できます。
このようにトレンドラインを引くだけで相場傾向が見えてきます。ただ、トレンドラインを引きく際に大原則としてローソク足からはみ出さないように気をつけましょう。
抵抗するか支持するか
トレンドラインと並び重要なラインが「サポートライン(下値支持線)」と「レジスタンスライン(上値抵抗線)」になります。トレンドラインは斜めの線に対して、この2本のラインは水平に引く線になります。
サポートライン、レジスタンスラインはともに相場の転換点となりやすいため、新規注文や決済注文、損切りなどの目安として使用されています。
サポートライン(下値支持線)
陽線が続いて右肩上がりのローソク足の安値どうしを線で結んだトレンドラインを「サポートライン(下値支持線)」と呼びます。
線を引くことでローソク足がサポートラインに触れたところで再び上昇に転じていることがわかります。つまり、ローソク足がサポートラインを下回らない限り上昇トレンドが続くと考えられます。
サポートラインに達したら買い注文、上放れ(直前の価格から大きく価格が上昇すること)したら売りという押し目買いにも利用できます。
レジスタンスライン(上値抵抗線)
陰線が続いていて、右肩下がりのローソク足の高値どうしを線で結んだトレンドラインを「レジスタンスライン(上値抵抗線)」と呼びます。
サポートラインとは逆に、ローソク足がレジスタンスラインの下にあるうちは下落トレンドが続くと考えられ、レジスタンラインに達したら売り、下放れ(直前の価格から大きく価格が下落すること)したら買い戻すという押し目売りもできます。
トレンドラインの傾向
「サポートライン(下値支持線)」、「レジスタンスライン(上値抵抗線)」どちらもローソク足が超えたとき値動きが一気に強まる傾向があり、現状のトレンドの終了とみて次のトレンド(もしくは持ち合い)に移行するタイミングになる可能性があります。
それだけ市場の注目が集まるトレンドラインになります。
便利で使いやすいサポートライン、トレンドラインですが、ポイントとなるのは、どの高値・安値に線を引くかということです。
過去の重要な節目に引いてみて、多くの投資家が注目している相場の転換点はどこか見極めラインを引く練習をしてみましょう。
まずは、プロはどんな高値・安値をポイントにしてラインを引いているのかを参考にして、自分で引いてみることが上達のコツといわれています。
FX自動売買(システムトレード)でも必須なレバレッジを知ろう
外国為替市場(FX)で取引を行う際に、「レバレッジ」という言葉は必ずといってもいいほど聞きます。
耳馴染みはあるけど、レバレッジの意味や計算方法、仕組みなどわかりにくい点もあるので解説します。
レバレッジとは
FXの特徴で魅力の一つレバレッジの原義は「てこ(レバー、lever)の作用」を意味し、「てこ」によって小さな力で大きなモノを動かすことができます。
この「てこの原理」を利用して「少ない証拠金(自己資本金)でも大きな取引を行える」仕組みをレバレッジといいます。
売却を前提とした取引
では、なぜ自己資金以上の取引ができるのでしょうか。それはFXが差金決済(売りと買いの差額の授受で決済すること)といった決済前提の取引だからです。
例えば米ドルを100万円分購入したとしたときの必要最低証拠金が10万円とします。売り手のFX会社からしたら決済時に預かっている10万円の証拠金以上の損失をだされなければとりっぱぐれはありません。
逆に証拠金以上の損失を出されないようにしなくてはいけなく、必要最低証拠金が10万円で何千万、何億といった取引を投資家にされてしまったら、あっという間に証拠金は吹き飛んでしまいます。
それを防ぐためにも、レバレッジに上限が設けられています。
必要最低証拠金
ひとつのポジションを建てるためにその取引額に比例して最低必要となる預託金のことです。FX会社によって必要最低証拠金も異なり、表記の仕方も「1万円」と金額で決められている場合や「5%」と割合で書かれている場合もあります。
トラリピ『M2J(マネースクウェア・ジャパン)』では取引総代金の4%が必要。
米ドル/円が100円の時に1万通貨の取引を行う時の証拠金必要額は、以下のように計算されます。
- 取引総代金 = 100円 × 1万米ドル = 100万円
- 証拠金必要額 = 取引総代金 × 証拠金率(4%) = 100万円 × 0.04 = 4万円
レバレッジの歴史
以前は最大レバレッジに特に規制がなく100倍や200倍、中には400倍をかけられるFX会社(国内業者)がありましたが、2010/8/1からはレバレッジ最大50倍まで(証拠金が取引額の2%以上)、2011/8/1からはレバレッジ最大25倍まで(証拠金が取引額の4%以上)という規制が導入されました。
「顧客保護」、「業者(FX会社)のリスク管理」、「過当投機の防止」といった観点から、金融庁が導入を決めたものになります。
このような事からもわかるようにレバレッジは高ければよいというものではありません。レバレッジが高くなればなるほど比例してリスクも高まり、少しの値動きで利益や損失が大きくなってしまいます。
長期投資を目的としているトラリピ『 FX自動売買(システムトレード)』では、高いレバレッジは不要で、上手く使いこなすことが重要です。
自己資金からレバレッジを考える
FXの売買は通常1万通貨単位で行われます。1米ドル=100円のとき、1万米ドルをレバレッジなしで運用しようとしたら110万円が必要となります。
レバレッジを2倍なら50万円が必要になり、10倍であれば10万円になります。
トラリピを行っていれば為替レートの動きに合わせ、ポジションも増え自然にレバレッジも高くなります。
ただ、レバレッジの数字だけで判断せずに、自分の予算内での損切りポイントと損失許容額をあらかじめ決めれば、トレード数量が計算できるのでレバレッジも自然とわかってきます。
一つの指標としてレバレッジを意識することは重要ですが、損切りを徹底してトレード数量を増やしすぎないように注意しましょう。
FX自動売買(システムトレード)で重要な通貨ペアの組み合わせと仕組み
FXの取引は異なる2つの通貨を売買し、この組み合わせを通貨ペアといいます。
米ドルを円で1万通貨分買うとすると、「米ドルを買って円を売る」という通貨ペアでの取引になります。
もちろん円以外の外貨同士の通貨ペアの組み合わせもあるので、通貨ペアとは通貨の組み合わせの数だけ存在します。
通貨ペアは2つの異なる通貨の組み合わせ
取引できる通貨ペアはFX会社によってもことなります。M2J(マネースクウェア・ジャパン)で取引ができる通貨ペアは以下の一覧になります。
トラリピ取引通貨ペア 一覧
お取引通貨ペア |
最小値幅 |
決済通貨 |
売買単位 |
1回あたりの取引上限金額 |
---|---|---|---|---|
米ドル/円(USD/JPY) |
0.01円 |
JPY |
1,000 USD |
2,000,000 USD |
ユーロ/円(EUR/JPY) |
0.01円 |
JPY |
1,000 EUR |
2,000,000 EUR |
ユーロ/米ドル(EUR/USD) |
0.0001米ドル |
JPY |
1,000 EUR |
2,000,000 EUR |
豪ドル/円(AUD/JPY) |
0.01円 |
JPY |
1,000 AUD |
2,000,000 AUD |
豪ドル/米ドル(AUD/USD) |
0.0001米ドル |
JPY |
1,000 AUD |
2,000,000 AUD |
NZドル/円(NZD/JPY) |
0.01円 |
JPY |
1,000 NZD |
2,000,000 NZD |
NZドル/米ドル(NZD/USD) |
0.0001米ドル |
JPY |
1,000 NZD |
2,000,000 NZD |
カナダドル/円(CAD/JPY) |
0.01円 |
JPY |
1,000 CAD |
2,000,000 CAD |
英ポンド/円(GBP/JPY) |
0.01円 |
JPY |
1,000 GBP |
2,000,000 GBP |
ルコリラ/円(TRY/JPY) |
0.01円 |
JPY |
1,000 TRY |
2,000,000 TRY |
南アフリカランド/円(ZAR/JPY) |
0.01円 |
JPY |
10,000 ZAR |
2,000,000 ZAR |
出典:通貨ペア | 商品・サービス(FX) | M2JFX - マネースクウェア・ジャパン(M2J)
メジャーカレンシーとは
明確な定義はありませんが、米ドル、ユーロ、円、ポンド、スイスフラン、豪ドル、カナダドルなど国際的な市場(マーケット)で取引される通貨で、取引量や取引参加者も多い通貨を「メジャーカレンシー」、それ以外は「マイナーカレンシー」と呼ばれています。
「メジャーカレンシー」は市場規模が大きく、取引参加者も世界中にいるため、市場で安定した取引ができる傾向にあります。
世界の中央銀行を束ねる国際決済銀行(Bank for International Settlements 略:BIS)の統計によると、世界でもっとも多く取引されている通貨ペアは米ドル/ユーロ、次いで米ドル/円、米ドル/ポンドとなっており、トラリピでの取引も可能です。
ドルストレートとクロス円
通貨ペアは大きく分けると「ドルストレート」と「クロス円」の2つに分けられます。
米ドルと他の国の通貨の組み合わせは「ドルストレート」になり、米ドル/円や米ドル/豪ドルなど片方が米ドルの通貨ペアならばすべてドルストレートになります。
世界中で利用される基準通貨のため各国の通貨と直接取引される米ドルの影響を、ドルストレートはとても大きく受けます。
「クロス円」は円と他の通貨の組み合わせになり、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円など米ドル/円以外で片方が円の通貨ペアなら、すべてクロス円となります。
一見米ドルの影響は受けなそうですが、実は間に米ドルを挟んで間接的に取引をしているため多少関係しています。
代表的な通貨ペアの特徴
通貨ペアによって為替レートの値動きにより利益・損失が変わるため、FX自動売買(システムトレード)でも重要な代表的な通貨ペアの特徴を紹介します。
米ドル/円(USD/JPY)
世界の基準通貨として流通量が1位となっている通貨が米ドルです。
歴史としては第2次世界大戦までは英ポンドが基軸通貨でしたが、以降からいままで世界中の取引で利用されるようになっているので流通量も他の通貨と非ではありません。
米ドル以外の通貨の国と貿易や金融取引をする際、たいていはいったん米ドルにして決済を行い、再度それぞれの通貨に戻すという手続きをしています。
このようなことからも、米ドルの動向は世界中の市場参加者が注目され「有事のドル買い」とまでいわれ、緊急事態などには比較的安定資産とされていた米ドルが買われる傾向でした。
しかし、最近は経済不安やテロの懸念などから安定資産のイメージが薄れつつあります。
アメリカの経済動向に大きく左右され、原則毎月第一金曜日に公表される雇用統計、Federal Reserve Board(アメリカの連邦準備制度理事会のことで、アメリカの公定歩合など金融政策の策定やアメリカ国内の銀行の監視を行ってる。略:FRB)の議長発言などにより為替レートが大きく動くことがあります。
流通量も多く、値動きも比較的穏やかでFX会社も米ドル/円のスプレッドがもっとも安く設定されているので初心者が扱うには適した通貨ペアとなっています。
主な通貨の上昇要因
- 政策金利の引き上げ
- GDPの拡大
- 貿易黒字の拡大
- 雇用系統の改善
主な通貨の下落要因
- 政策金利の引き下げ
- 金や原油などの価格上昇
- テロやハリケーン被害
ユーロ/円(EUR/JPY)
ヨーロッパの28ヵ国が加盟している独特な経済的および政治的協力関係を持つ民主主義国家の集まりをEU(欧州連合)といいます。
第二次世界大戦後から前身となる組織はあり、1993年からEUとなっています。EU加盟国はみな主権国家で、その主権の一部を他の機構に譲るという世界で他に類を見ない仕組みに基づく共同体を作っています。
このEUが1999年に導入した統合通貨をユーロといいます。通貨や紙幣が流通し始めたのが2002年と比較的新しい通貨ですが、2016年現在でEU加盟国19ヵ国とEU日加盟数か国で利用されています。
ユーロを利用している19ヵ国の経済動向に左右され、特にドイツやフランスなど規模が大きな国の動向に引っ張られる傾向があります。
ECB(欧州中央銀行)の動向や総裁の発言なども注目が必要です。過去には加盟国の一つ、ギリシャで財政赤字の隠ぺいが発覚したことにより2010年に欧州金融危機が発生し一気に円高ユーロ安となりました。
米ドルに次ぐ流通規模ですが、先行きに不安も抱えています。
主な通貨の上昇要因
- 政策金利の引き上げ
- ユーロ圏の中心(ドイツやフランス)の好況
- 各国の外貨準備高のユーロ比率増加
主な通貨の下落要因
- 政策金利の引き下げ
- ユーロ加盟国の経済不安
- 失業率の上昇
- GDPの減少
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
外国為替市場でもっとも多く取引されているのがユーロ/米ドルになり、世界中の市場参加者たちの思惑が反映されている通貨ペアといえます。
世界のニュースを受けて動く市場参加者が多く値動きも大きくなる傾向があるので、流動性が高くて情報が得やすい上に値動きが大きくなりやすいです。
夕方にヨーロッパ市場が開き、夜にニューヨーク市場が開くため同時に開いている夜10時から深夜1時ごろまでが値動きが活発になるので、日中働いている副業サラリーマンにとっては狙いやすい通貨ペアとなっています。
きちんとリスク管理をしないと大きく値動きしやすい通貨ペアなので、思わぬ大きな損失をしてしまうことがあるので注意が必要です。
主な通貨の上昇要因
- 米国雇用統計の不調
- ユーロ圏の経常黒字
- ドイツやフランスの好調
- アメリカのテロ発生
主な通貨の下落要因
- 米国雇用統計の好調
- アメリカの利上げ
- ユーロ圏の追加緩和、利下げ
- 欧州危機問題が再燃
豪ドル/円(AUD/JPY)
オーストラリアの通貨でオーストラリアドル(豪ドル)はコモディティ通貨として(資源国通貨、鉱物資源や農産物などの市況商品を産出しそれを主な輸出品としている国の通貨のこと)知られています。
鉄鉱石や石炭、天然ガス、げにゅなどを輸出する資源国のオーストラリアは、これらの資源の価格に影響をうけるといわれています。
目下、世界的な資金源安が続き、特に原油価格は下落傾向ですがオーストラリアの中央銀行は「資源は緩やかに回復傾向」と資源以外の部門が堅調に推移していると説明しています。
FXで豪ドルが人気の理由はスワップポイントにあり、金利が比較的に高い水準にあるため、金利がとても低い水準の日本との金利差が大きくなっているからです。
ただ、オーストラリアの輸出相手国の第一位中国の景気減速により、資源需要がしぼんでしまうとオーストラリアの経済成長も止まってしまうと懸念され、ゆくゆくは通貨不安から金利差が縮小してしまうことも考えられます。
主な通貨の上昇要因
- 政策金利の引き上げ
- 資源価格の高騰
- 中国やインドなどの新興国の好況
主な通貨の下落要因
- 資源価格の下落
- 雇用統計などの経済指標の悪化
NZドル/円(NZD/JPY)
豪ドルと似た値動きで同様にコモディティ通貨といわれています。ただ、オーストラリアのコモディティは鉱物資源に対し、ニュージーランドのコモディティは酪農製品や肉類・果物といった農産物が中心になります。
また、ニュージーランドの貿易相手国のトップがオーストラリアのため、オーストラリアの経済事情を受けて為替レートが変動しやすいです。
豪ドルと異なる点は市場規模の小ささで、メジャーカレンシーの中でも小さい豪ドル市場規模と比較してもマイナーカレンシーのNZドルははるかに小さいです。
そのため、まとまった金額の取引があると為替レートが変動しやすくなり、各種指標の発表が日本の深夜時間帯なので安易にポジションを持ったままにしないことが安全です。
主な通貨の上昇要因
- 政策金利の引き上げ
- コモディティ(農産物)の価格上昇
- 豪ドルの上昇相場
主な通貨の下落要因
- 政策金利の引き下げ
- コモディティ(農産物)の価格下落
- オーストラリアの景気悪化
英ポンド/円(GBP/JPY)
基準通貨となった通貨は米ドルと英ポンドの2つで、第2次世界大戦前が終わる前までは英ポンドが基準通貨として世界中の貿易の決済などで利用されていました。
現在でも米ドル、ユーロ、日本円に次ぐ第四位の取引量で、米ドルやユーロよりも値幅が大きいので短期売買で利益を得ようとするトレーダーに人気で、BOEの政策金利発表や雇用統計、インフレレポート公表などによって激しく値動きします。
欧州連合(EU)を離脱すべきかどうかイギリスの欧州連合離脱是非を問う国民投票(英語: United Kingdom European Union membership referendum)が2016年6月23日に実施され、離脱支持側の僅差での勝利となりました。
今後もイギリスはポンドを使い続けると予想され、今回の国民投票の結果がEUやイギリスにとっても大きな転換点となり今後の動向が注目されています。
主な通貨の上昇要因
- 政策金利の引き上げ
- GDPや雇用統計の改善
- 原油価格の上昇
主な通貨の下落要因
- 鉱工業生産指数など経済指標の悪化
- テロの懸念
南アフリカランド/円(ZAR/JPY)
資源の豊富な新興国通貨として南アフリカランドが上げられます。
金やプラチナといった貴金属の産出量が世界一でダイヤモンドやクロム、鉄鉱、石炭などの資源も豊富です。これらを輸出してアフリカ大陸の経済をけん引しています。
金利がとても高く、スワップポイントが多く得られるメリットがありますが、為替レートの水準が他の通貨と比較すると極端に低いことに注意しましょう。
また、市場が小さく値動きが激しく、南アフリカのニュースなどの情報がなかなか入らず、気づかない間に為替レートが乱高下していることもありまえます。
治安も悪く、経済危機や政情不安が発生しているため、あまり長期投資でのメイン通貨ペアとしては合わないです。
主な通貨の上昇要因
- 政策金利の引き上げ
- 資源価格の高騰
主な通貨の下落要因
- 赤字の拡大
- インフレ
- 政情不安
FX自動売買(システムトレード)を始めるのなら損失に関しても知っておこう
FX自動売買(システムトレード)を行う場合、毎年利益を出し続けることは不可能です。
特に限られた資金の中で運用をする場合は、フォローできるレンジ幅が限られるので損失することもあり得ます。
運用の失敗によって預けた証拠金以上に損失を抱えてしまっては、長期的な投資をすることに不安が残ってしまいます。
そこで各FX会社ではマージンコール、追証、やロストカット(強制決済)などの損失を抑制するシステムを導入しています。
損失を抑制するシステムとは
FX会社も一般的な会社と同じく、利益を確保しないと事業が成り立ちません。
わかりやすいところでは、システム維持費などの名目によって投資家から売買手数料・為替手数料、買値と売値の価格差であるスプレッドなどで利益を得ています。
つまり、投資家が長期投資で売買することがFX会社としても喜ばしいため、できるだけ損失を制御したいと考えているのです。
マージンコールとは
マージンコールとはFX会社が投資家に対して「一定の損失が発生している」と伝える仕組みです。
各FX会社では証拠金維持率を最低何%以上にしないといけないとルールが決まっています。
※証拠金維持率とは「時価残高÷証拠金必要額(内ポジション分)×100」で算出。この数値が大きいほど口座内の余力があることを表しています。
為替レートの上下によって利益や損失が発生した場合、証拠金維持率もそれに合わせ変動します。
損失が膨らみ証拠金維持率がFX会社で定めている値より少なくなるとマージンコールが発生します。
マージンコールが発生した場合、期日までに追加の証拠金を入金するかポジションの一部を決済し証拠金維持率を上げなくてはいけません。
これを行わずに損失が膨らんでいくと、これ以上の損失を防ぐためにロストカット(強制決済)が行われます。
※M2J(マネースクウェア・ジャパン)では平成21年7月10日にM2Jプレミアムで実装していたマージンコール(追証)を廃止
【再掲】『M2Jプレミアム』取引条件変更のお知らせ | お知らせ一覧 - マネースクウェア・ジャパン(M2J)
ロストカット(強制決済)とは
含み損が膨らみ、そのまま保持していると証拠金以上の損失が発生し借金が発生してしまう可能性があるため、あらかじめFX会社と投資家で合意されたレベルで自動的に行う損切り注文です。
ロストカット(強制決済)や自動ロストカットともいわれます。
M2J(マネースクウェア・ジャパン)では『80%』を下回っていた場合、自動ロスカットになります。
自動ロスカット | 商品・サービス(FX) | M2JFX - マネースクウェア・ジャパン(M2J)
例えば、マージンコールは証拠金維持率が50%、ロストカットは証拠金維持率が40%未満で発生するFX会社で運用しているとします。
1米ドル=100円のとき、10万円の証拠金を預けて1万米ドルを買ったとしたら証拠金維持率は100%になります。1万米ドル=100万円ですから、レバレッジは10倍です。
その後、為替レートの変動により米ドル=95円未満になると、損失(含み損)が5万円を超えて証拠金維持率が50%未満となりマージンコールが発生します。
さらに円高が止まらずに94円未満になると、損失(含み損)が6万円を超えて、証拠金維持率が40%未満になるとロストカット(強制決済)になります。
余裕を持った取引を心がける
マージンコールやロストカット(強制決済)も行いことが望ましいですが、思わぬ為替変動によっては対象となってしまう可能性もありえます。
自分の思惑とは異なるレンジ相場へ下ぶれした場合、いつまでもダラダラと持ち続けずに早めに決済することで損失幅を広げないことが重要です。
初心者ほど、一度の損失が原因で資金の大半を失ってしまうことが多いです。
特にトラリピは小さい利益を重ねる仕組みで、大幅にレンジ相場から外れてしまうとそのまま売買チャンスがゼロとなり損失(実損)リスクがあります。
レンジ相場へ下ぶれした場合に損切り注文を入れることは精神的になかなか難しいです。「一時的に下がっているだけ」と人は感情で判断してしまうからです。
そのため、機械的に取引を行うFX自動売買(システムトレード)を開始する際に損切り注文を合わせて入れることが重要です。
損失(含み損)を広げないような工夫や、資金に余裕があれば証拠金を余分に入金して維持率を確保し余裕のある長期運用を心がけましょう。