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米国雇用統計やGDPだけじゃない景気動向を示す注目すべき経済指標

ファンダメンタルズは「経済の基礎的諸条件」と訳され、具体的には経済成長率、インフレ率、貿易収支などで表される経済的要因のことになります。

この経済的要因の分析を通し、為替レートの方向を探る方法がファンダメンタルズ分析です。為替レートはさまざまな経済要因の変化によって変動するため、これらを分析することにより為替レートの予測ができるという考え方になります。

ファンダメンタルズ分析により「円高の理由は日本の景気が回復したから、今後も景気回復が継続し円高が続く」や、「米国の貿易収支の赤字が今後も拡大しそうだから、ドル安になる」と為替レートの予測することができます。

このファンダメンタルズ分析を行うにあたり、非常に重要なのが世界の経済の中心「アメリカの経済指標」になります。アメリカの動向は世界中に影響を与えるので、どの通貨ペアで取引を行うにしても必ず確認をするようにしましょう。

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毎月第1金曜日発表の米国雇用統計

月に一度発表される「米国雇用統計」が全世界が注目する経済指標といっても過言ではありません。

米国雇用統計は原則、毎月第1金曜日のNY時間午前8時30分(日本では21時30分-米・夏時間、22時30分-米・冬時間)毎月第1金曜日にアメリカの労働省が「失業率」、「非農業部門雇用者数」、「週労働時間」、「平均時給」、「建設業就業者数」、「製造業就業者数」、「金融機関就業者数」など計10数項目の指標を公表します。

なかでも「失業率」と「非農業部門雇用者数」の2項目は、アメリカには日本のような終身雇用や正社員という働き方の考えがないため、景気のよしあしが雇用に反映されると考えられ、数字の推移に注目が集まります。

金利政策(金利)への影響

米国では雇用状況の改善が政策の主要目標となり、失業率を含む米国雇用統計はFRB(Federal Reserve Board of Governors の略で連邦準備制度理事会のこと) が金融政策を遂行するうえで重要な判断材料になります。

雇用状況が悪化すれば、FRBは金融を緩和気味にし金利を下げることを検討し、逆に雇用状況の改善が進み労働市場が過熱すれば金融を引き締め、金利を上げることを視野に入れます。

一般的に、ドル金利を下げればドル売りが進み、ドル金利を上げればドル買いが進むという関係性になります。したがって、雇用状況の悪化はドル下落傾向を示し、雇用状況の改善はドル上昇傾向を予測ができます。

雇用状況の悪化とは

失業率は年率4.25%とうように示されますが、非農業部門雇用者数は前月比20万人増加というように示されます。雇用状況の悪化は失業率が上昇、非農業部門雇用者数が減少することになります。

1980年代までは失業率の数字が注目されていましたが、90年代に入り非農業部門雇用者数が景気を反映した雇用状況をより的確に表していると注目されるようになりました。

日本やユーロ圏の雇用統計は

アメリカと比較し、日本やユーロ圏の雇用統計はそれほど注目されません。日本銀行もECB(European Central Bank の略で欧州中央銀行のこと)も物価の安定が主要な政策目標なので、失業率などの雇用統計を政策決定上、アメリカほど重視することがないためです。

1月・4月・7月・10月下旬発表のGDP

GDP(Gross Domestic Product の略で国内総生産のこと)はその国の経済の規模を表す経済指標で、四半期毎などに世界各国で発表されます。

モノやサービスの付加価値(モノやサービスの価格から材料費や人件費などを差し引いたもの)の合計を数値で表したもので、国ごとに得意としている産業や儲け出す仕組みが異なるため、GDPという数値化することで各国の比較が可能になります。

GDPの伸び率(成長率)

外国為替市場では四半期別、年間のGDP伸び率(成長率)が注目されます。成長率には名目成長率と物価指数を調整した実質成長率がありますが、外国為替市場では実質成長率が注目されます。

GDPの成長率が高ければその国の通貨が上昇すると判断され、投資機会が増えて海外の資金が流入して通貨が買われます。逆にGDPの成長率が低ければ、投資機会が少なくなり、投資収益も期待できないため、高い成長率への国へ資金が流出し通貨が売られ下落傾向になります。

実質GDPが伸びることで景気が良くなったと判断され国内外から資金が集まるということです。

テーマによって逆に動くことも

たとえば、米国の経常収支の赤字が焦点となっているなか、米国のGDP成長率が高い数字を示したとした場合、通常米国の経済が好調と判断され米ドル買いが進み、米ドルが上昇します。

しかし、米国経済が好調で輸出が増加して米国の経常収支(貿易収支)の赤字が増加するという見方が優勢になった場合、米国のGDP成長率が市場の予測より高く発表されても米ドルが下落することもあります。

外国為替市場では一定期間ひとつのテーマが注目され、為替が動くことが多くあり、すべての数字がそのテーマの観点から解釈され米国の経常収支が赤字であっても、外国為替市場の焦点ではない場合はこのような結果にはなりません。

金利との関係

GDPは金利との関係を通して為替レートに影響するとも考えられ、GDP成長率が高いということは経済が好調のため、金融は引き締められ金利が上昇傾向になる。そのため、その国の通貨は上昇傾向になると判断されます。

逆にGDP成長率が低いと金利を下げるなどの金融緩和策をとって景気を刺激しようとするため通貨が下落傾向になると判断されます。

他の注目すべき経済指標

「米国雇用統計」や「GDP」以外にも景気動向を示す経済指標があり、予想と実際の数字にサプライズがあるかによって為替レートが大きく動く傾向があります。

経済指標名 公表予定日 内容
MBA住宅ローン申請指数 アメリカ 毎週水曜日 米抵当銀行協会(The Mortgage BankersAssociation)が発表している、個人の住宅ローン申込件数を数値化したもの。一戸建住宅販売や住宅建設の先行指標となり、住宅の動向は経済への波及効果が高いことから、経済状況を計る材料とされています。
ISM製造業景況指数 アメリカ 毎月第1営業日 ISM製造業景況指数とはISM(Institute for Supply Management:供給管理協会)が発表する製造業における景気転換の先行指標。アメリカ国内の製造業の仕入れ担当などにアンケートをし、生産や新規受注、在庫などの状況を判断して数値化したもの。50%が景気動向の良し悪しを測る分岐点
ISM非製造業景況指数 アメリカ 毎月第3営業日 ISM非製造業景況指数とはISM(Institute for Supply Management:供給管理公社)が発表する非製造業における景気転換の先行指標。非製造業の担当にアンケートを取り作成する調査。50%が景気動向の良し悪しを測る分岐点。
小売売上高 アメリカ 毎月第9営業日 アメリカの商務省が発表する、スーパーや百貨店など約5,000社の小売業の売り上げ調査を元に推計される数値。個人消費から景気やGDPの動向を知るために活用されます。
景気動向指数 日本 毎月初旬 内閣府が算出する生産、雇用など様々な経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合することによって、景気の現状把握及び将来予測に資するために作成された経済活動の指標。先行指数、一致指数、遅行指数などがある。
NAB企業景況指数 オーストラリア 毎月初旬~中旬 オーストラリアの市中銀行であるナショナル・オーストラリア銀行(National Australia Bank)が、国内企業400社以上を調査し、今後の景況感の動向を集計した指標。企業からみた、経済の現況と将来の先行きがわかります。
ZEW景況感指数 ユーロ圏 毎月中旬 ZEW景況感指数とは民間調査会社・ZEWが発表する景気先行指数。今後6カ月の見通しを市場関係者やアナリストからヒアリングしまとめたもの。「よい」から「悪い」を引いた数字で表されるため、0以上で景気が拡大と判断される。
IFO景況指数 ドイツ 毎月下旬 IFO景況指数とはドイツの経済・社会調査・政策研究を行う非営利の公的研究機関IFO研究所が、全独1万社を対象に今後6カ月の先行きをヒアリングし指標化したもの。ユーロ圏でもっとも経済が発展しているドイツの指標として注目が高い。
企業景況感指数 フランス 毎月下旬 フランス国立統計経済研究所(INSEE) が発表する企業景況感指数とは、フランスの企業活動の現況調査を指数化したもの。企業からみた経済の現況と将来の先行きがわかり、数値が高いと景気が上向いていると判断される。

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