ローソク足で相場動向を予測しFX自動売買(システムトレード)を運用する
今後のトレンド相場が上昇トレンドか、下降トレンドかを判断することは投資家のプロでも予測は難しく、それこそFXを開始したばかりの初心者はなにを参考にしてもいいのかわかりません。
FXでトレンド相場の上昇・下降を判断する際に最大のよりどころとなるのがチャートです。
チャートは過去の値動きを克明に記録したグラフのことで、為替市場に参加しているトレーダーの心理状態や行動が読み解くことが可能です。
チャートの基本となるローソク足
チャートにはいくつか種類があり、基本となるのはローソク足を並べたものになります。ローソク足は一本一本がローソクににた形になっているのでこの名前が付けられています。
4つの価格(4本値)とは
ローソク足は、一日や一週間など一定期間の「始値」(売買開始時の価格)、「高値」(もっとも高い価格)、「安値」(もっとも安い価格)、「終値」(売買終了時の価格)の「四本値」(4つの価格)を表したものです。
「始値」とは市場が開始されたときに最初につけた値段のことで、「終値」は市場がクローズされるときに最後につけた値段。「高値」・「安値」はその期間で最も高かった値段と安かった値段になります。
集計期間でも名前が変わる
ローソク足は四本値の集計期間によって名前が変わります。1分の値動きを表したローソク足を「1分足」、5分なら「5分足」。1時間なら「1時間足」、1日なら「日足」、1週間なら「週足」、1ヶ月なら「月足」と呼ばれ、どのくらいの期間を表すかで名前が変わります。
このチャートを使うかはトレードスタイルによって変わってきます。
一般的にスキャルピング(数分単位の超短期)やデイトレーダー(数時間程度)のような短いスパンで売買し翌日にポジションを持ち越さない取引方法には、分足などの短期間のチャートで値動きをチェックしています。
逆にトラリピなど長期投資やトレンド相場を確認するには、日足や月足といった長めのチャートを利用しトレンドを確認します。
一目でわかるビジュアル
ローソク足は長方形部分と上下に伸びる線で構成され、「実体」と呼ばれる箱の色には2種類あります。FX会社によって設定されている色は異なりますが、M2J(マネースクウェア・ジャパン)では基本的に赤が「陽線」で青が「陰線」を表しています。
初値より終値が高ければ「陽線」となり、逆に初値より終値が安ければ「陰線」となります。陽線が続いていれば上昇トレンド、陰線が続けば下降トレンドと判断できます。
色を見るだけで為替の方向性を確認できるのがローソク足の優れたところです。
ローソク足からわかる相場動向
ローソク足は日本人の本間宗久(1724年(享保九年) - 1803年(享和三年))が開発し、江戸時代には大阪・堂島の米取引で使用されたといわれています。
その便利さが認められ日本国内だけでなく、世界中のヘッジファンドや個人投資家の間でもローソク足チャートを中心軸においた取引がされています。英語でも「キャンドルチャート」と呼ばれているほどです。
昔からあるローソク足が研究されていますが、必ず相場動向を予測できるというわけではありません。しかし、知っていることである程度の値動きがつかめることが可能になります。
なぜなら、世界中でローソク足チャートを中心軸においた取引が行われていることで、トレーダーの相場動向の予想もわかるようになるからです。
ローソク足から読み取る上昇サイン
上昇のポイントとなるのが下ヒゲの長さです。下ヒゲが長いと「値上がりはしたが大きく売られる展開があった」と判断できます。つまり下ヒゲが短いほど買い注文の勢いが強いと考えられます。
買いのサインで有名な、下ヒゲのない「陽の丸坊主」や下ヒゲの短い「陽の大引け坊主」などが大きな上昇を示唆させています。
また、直前の値幅を完全に包む大陽線または大陰線のローソク足の組み合わせ「包み線(抱き線」が出現した場合や、大陰線の終値より下から始まり、陰線の中心を上回る所まで戻して終わった場合のローソク足の組み合わせ「切り込み線」が出現した場合も上昇のサインといわれています。
特に底値圏(チャート上、相対的に安い位置)でこのサインが出たら買いとされています。
また、価格が下落と上昇を3回繰り返し、一定の価格で反転している形を「三川」といい下降トレンドの後に底値を形成し上がっていく強い買いのサインとされています。
ローソク足から読み取る下落サイン
下落のサインは上昇と逆の考え方として問題ありません。
ローソク足の上ヒゲが短いほど売りの勢いが強いと考えられています。
前日の陰線、陽線とは逆に当日のローソク足の値幅を完全に包む大陽線または大陰線のローソク足の組み合わせの「抱き線」や、上昇相場が続いていた過程で、陽線で引けた日の翌日、前日より高値で寄付きながらも前日の陽線の中心を割込んで引けてしまった「かぶせ線」などは下落のサインといわれています。
価格が上昇と下落を3回繰り返し、一定の価格で反転している「三山天井」は上値を3回トライしたものの、上へ抜けることが出来無い状態で下落のサインとされています。
酒田五法とは
酒田五法とはローソク足を開発者した本間宗久が唱えた酒田罫線の奥義とされている「三山・三川・三空・三兵・三法」という相場全体の流れで起こり得るパターンを基本の5つに分類したものになります。
株式投資でよく利用されていますが、FXではあまり取り上げられないので参考までに覚えているだけでも大丈夫です。
三山(さんざん)
上昇と下落を3回くり返して3つの天井(山)を形成するのもで相場の大天井を表していて、以降は下落サインとされています。
三川(さんせん)
逆三山ともいわれ、3本の線から相場の転換をとらえるもので「宵の明星は売りサイン」、「明けの明星は買いサイン」や「上放れ二羽烏は売りサイン」などがあります。
三空(さんくう)
上昇・下落を繰り返した後に値動きが上昇傾向(または下落傾向)となり、やがて値動きが落ち着いて上昇・下落が交錯すること。上げ相場では「三空踏み上げには売り向かえ」といわれています。
三法(さんぺい)
3日連続で上昇・下落が続き、上昇が連続すれば「赤三兵」、下落が連続すれば「黒三兵」と呼ばれます。赤三兵は大きな上昇相場のサインとなり、逆に黒三兵は下げ相場のサインとなります。
三法(さんぽう)
短い期間に上昇と下落が連続して起こる場合は、売り買いが交錯して方向性が定まらない状態で相場の流れが休みに入るサインとなります。
トレンドラインとは
ローソク足の見方がわかったら、初心者でも簡単に引けるラインをチャートに引いてテクニカル分析を始めてみよう。
FX自動売買(システムトレード)開始前の基本的FX用語 - 購入前の予習・復習
知っているようで知らないFX用語を備忘録としてまとめます。
FX専門用語
トレード
FXで行う取引のこと。
FXでは買って・売って、売って・買ってと一回の取引が短期間で完結することが多い為、トレードという言葉が使わる。
FX取引を行う人を一般的にFXトレーダーという。
通貨ペア
FXで取引する2か国の通貨の組み合わせのこと。
ISOで定められて世界共通のコードとして通貨をアルファベット3文字の略称で表す。
※ISOとは
国際標準化機構のことで1947年にロンドンで創設され、世界的な標準である国際規格を策定するための非政府組織。
略称はアイソ、イソなどと呼ぶ。
最初の2文字で国名、最後の1文字で通貨名を表している。
記号 | どこの通貨か |
---|---|
JPY | 日本円 |
USD | アメリカドル |
EUR | ユーロ |
GBP | イギリスポンド |
AUD | オーストラリアドル |
NZD | ニュージーランドドル |
CAD | カナダドル |
CHF | スイスフラン |
SGD | シンガポールドル |
ZAR | 南アフリカランド |
HKD | 香港ドル |
NOK | ノルウェークローネ |
KRW | 韓国ウォン |
TRY | トルコリラ |
為替レートの見方
- ビッド(Bid・売)
- アスク(Ask・買)
標準的なFX会社では「左側にあるのが売値、右側にあるのが買値」となっている。
また、この売値と買値の差をスプレッドという。
ポジション
ある通貨を購入し、保持している通貨ペア。ポジションを翌日に持ち越すことはロールオーバーといい、スワップが付与される。
含み損益
ポジションをいま決済したと仮定した場合、どの程度損失もしくは利益になるかという金額。
実現損益
ポジションを決済して確定した損益金額。
利益確定
含み益を抱えたポジションを決済すること。利確、利食いとも呼ばれる。
損切り
含み損を抱えたポジションを決済すること。ストップ、ソトップロスともいう。
基本的に、こまめな損切りと利益を伸ばすことでFXで稼げるといわれています。
強制決済
含み損が膨らみ預けた証拠金以上の損失を防ぐために自動的に行う損切り注文。
マージンカットとも呼ばれることもある。
決済損益
決済して実際に口座に反映された損失・利益。実現損益とも呼ぶ。
取引コスト
FXの取引コストは取引手数料とスプレッドの2つ
トラリピ取引手数料
南アランド/円を除く 10通貨ペア |
|
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1万通貨単位以上の場合 |
1,000通貨単位当たり30円
(対ドル通貨は0.3ドル) |
1万通貨単位未満の場合 |
1,000通貨単位当たり50円
(対ドル通貨は0.5ドル |
せま割対応注文の場合 |
1,000通貨単位当たり10円
(対ドル通貨は0.1ドル) |
南アランド/円 |
|
---|---|
1万通貨単位以上の場合 |
1万通貨単位当たり200円 |
1万通貨単位未満の場合 |
- |
せま割対応注文の場合 |
1万通貨単位当たり100円 |
せま割対応注文とは
トラップリピートイフダン®(らくらくトラリピを含みます)、リピートイフダン®、ダブルリピートイフダン®、トラップイフダン注文で、1,000通貨単位当たりの利益金額が米ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ニュージーランドドル/円、カナダドル/円、英ポンド/円、トルコリラ/円の場合:200円以下、ユーロ/米ドル、豪ドル/米ドル、ニュージーランドドル/米ドルの場合:2ドル以下、1万通貨単位当たりの利益金額が南アフリカランド/円の場合: 500円以下
1万通貨
一般的なFX会社では1万通貨を基本単位としている。
レバレッジ
1単位あたりの取引に必要な最低証拠金の倍率。
1万ドルの取引で必要最低証拠金が1万円ならレバレッジは100倍となる。(1ドル100円とした場合)
FX自動売買(システムトレード)でポチポチ病からの卒業して資産運用としてのFXをしよう!
『ポジションを保持して朝から晩までスマホでチャートとにらめっこ』
FXで失敗した方、そんな経験ありませんか?
おそらく私がいままでFXがうまくいかなかった理由の一つがポチポチ病だったと思います。
ポチポチ病はギャンブル
いまやスマホでチャートを確認・注文できる便利な環境が整い、いつでも売買が可能ですが、反面勢いで注文してしまうことも出てしまいます。
そもそも為替レートの変動タイミングは
- 経済成長性(GDPの伸び率)
- 国会財政の健在性(税収と歳出のバランス状況)
- 経済収支(モノ・サービスの移転に伴う収支)
- 金利(国債などの表面上の金利)
- 政府の市場介入
- テクニカル要因
- 投機筋
- 有事(戦争やテロ、災害など)
などの様々な要因が絡み、個人投資家ではなかなか予想がつかない中でどれだけリスク回避し資産を増やすことができるかとうことがFXだと思います。
都度、明確な理由もなく為替レートの変動タイミングの上下動に乗っかって取引をすることは1/2のギャンブルと言ってもいいです。
FXの基本は注文の前に決済を考える
「なんとなく上がりそうだから注文して、1万円くらい儲かったら売りたいなー。」という自分の理想で注文を入れても確実に失敗します。
株もFXも注文の前にいくらまで上がる(下がる)予想をしてから注文するのが基本です。
いつでもどこでもチャートが見れ、注文できることにより感情で動いて注文してしまうのが人間です。
「さっきの損切りを取り戻したいから…」
「いまが底打ちだろう。」
そんな妄想によりポチポチ病が発症し、移動の電車の中や食事中、仕事中だろうがスマホを手放せない生活になってしまいます。
これでは自分の資金を確実に削ってしまいます。
FX自動売買(システムトレード)で資産運用
FXは実際にお金の流れ・やり取りが画面を通しての数字になるため、慣れてくるとゲームのような感覚にも陥ります。
更にポチポチ病によってこの感覚は悪化してしまいます。
FX自動売買(システムトレード)はあらかじめ設定した注文を自動的にくり返すシステムなので、売買の判断を感情に左右されません。
変動幅を考慮した注文をすることによって、リスク回避が可能で自分の資産に合わせた投資が可能になります。
週末に為替レートの大枠を予想し、注文を仕掛ける。平日は為替相場の注目材料を集めながら大きなニュースがあるときだけチャートを確認。
また週末に前回予想した振り返りと、注文幅の調整となります。
これによりポチポチ病を卒業しFXを資産運用として活用できます!